令和5年4月1日より中小企業への猶予措置が廃止され、時間外労働が60時間を超えた場合の割増賃金率が50%以上となります。
これまでは60時間超の時間外労働でも25%の割増率でよかったのですが、60時間を超えた部分から50%以上となりますので、業種によってはかなりの支給額になるかと思われます。深夜勤務と重なった場合は、最大75%以上の割増率です。
企業の人件費率は業種により異なりますが、全体ではおよそ30~60%、建設業では15~30%となっており、業種によってはまだ余裕があるように見えますが、それぞれが人に関して大きな問題を抱えており、今後の人件費上昇と人手不足は企業の命運を分ける課題となるのは間違いありません。
日本建設業連合会の調査によれば、建設業従事者の非管理職の半数近くが年間360時間以上の時間外労働をしていたと発表しております。(2021年度の調査内容を参照しています。)
建設業では、令和6年4月より時間外労働の上限規制が開始されるため、業界の効率化や生産性向上のための取り組みが行われようとしていますが、ここで注意すべきは、建設業の時間外労働上限規制より先に、時間外労働60時間超の割増率の適用が開始されるということです。
令和5年の残業代割増率の適用は一斉に全企業がスタートすることとなっております。(先行して適用している大企業を除きます。)令和6年から長時間勤務の対策を考えようと思われいる場合は、大きな落とし穴となるかもしれません。
建設業では業界の高齢化が重要課題となっており、譲渡・合併等が進んでいるところではございますが、後継者不足の結果、廃業を選択する事業者も多い現状です。
事務書類が多いため残業が常態化している印象ですので、できる部分は全てアウトソーシング等により効率化を図り、業界全体で働き方改革を進める流れが必要です。
週休2日の義務化も予定されておりますので、より一層の業務のスリム化を推し進めるため、当事務所でも業界の皆様の更なる繁栄のため、お手伝いしたい思いです。
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