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執筆者の写真行政書士 出口 貴士

建設業の事業承継について

更新日:2022年11月14日

令和2年度中の半年間でも建設業許可承継認可件数203件、令和3年度(令和4年度3月末まで)では1,127件と大きく増加しております。

建設業の事業承継においては、令和2年の改正まで、建設業許可を再度取り直す必要がありましたが、改正後は建設業許可そのものの承継が可能となったため、譲渡・合併・相続がやり易くなりました。

しかし、まだまだ譲渡先が見つからず黒字廃業する企業が多く見受けられます。「経済センサス基礎調査、活動調査」の結果を業種別に確認すると、2007年から2015年までの期間で最も休廃業・解散件数が多かった業種は建設業でした。

就業者の高齢化が進んでおり、若い世代への技術承継もまた、大きな問題となっており、ますます統廃合は進んでいくものと思われます。


今後、建設業者が事業承継を進めていく上で注意すべき点があります。


① 空白期間の発生


許可が必要な工事中に事業承継先が決まっていてもスムーズに空白期間なく許可が承継されれば問題ありませんが、無許可期間が発生してしまった場合、その間の工事は無許可営業となり、罰則の規定が適用されます。(3年以下の懲役、又は300万円以下の罰金。法人に対しては1億円以下の罰金)


② 承継規定の対象外


承継規定の対象外とは、同一業種の許可を承継元と承継先で持っていた場合、


承継元:特定→承継先:一般     承継元:一般→承継先:特定


上記では許可の承継ができません。具体例では承継元が鉄筋特定区分、承継先が鉄筋一般区分だと、承継先は鉄筋一般区分を廃業しなければ、承継不可能となります。


③ 相続による承継時の届出期間


個人事業主の相続の場合では、相続の開始から30日以内に認可申請を提出しなければなりません。相続に関しては、その他にも期限の決まった届出が多くあるため、非常にタイトな期限設定となっております。


事業承継については、早め早めの計画と行動を心掛け、廃業を決意する前にM&Aの専門家に依頼するなどが安全かつ確実なのかもしれません。

許可に必要な書類が簡素化されるなど、許可取得業者は年々増加しておりますが、反面、事業が継続できないなどの問題で廃業する建設業者も多いため、若い世代が就業しやすい環境を作っていくことが今後の業界の課題となりそうです。


建設業の事業承継

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